◆犯罪被害者支援◆
様々な犯罪の被害を経験された被害者ご本人、本人の親権者、ご遺族等の方々から、ご相談をお受けしています。
具体的な被害者支援として、刑事関係では、弁護士は被害者側の代理人として、被られた犯罪被害に関する被害届や告訴状を作成し、被害者、遺族等に同行して警察署に赴いたりしています。
警察・検察による捜査の結果、検察官が事件を正式裁判にかけた場合、刑事裁判手続に参加される被害者、遺族等のための弁護士として、裁判所での公判期日に出席をして、被告人(加害者)、情状証人に質問(尋問)を行ったり、事実関係等について被害者側の意見を述べたりしています。この被害者参加制度について、法務省のウェブサイト「犯罪被害者の方々へ」に詳しい記載があります。
実刑判決後、再被害防止等のため、加害者の刑務所からの出所情報等を被害者側に通知していただくよう検察庁に申出を行っています。
一方で、捜査の結果、検察官が事件を裁判にかけなかった場合、被害者側のご意向により検察審査会に審査を求め、不起訴処分のよしあしを審査していただくことがあります。この検察審査会について、裁判所のウェブサイト「検察審査会」に詳しい記載があります。
民事関係について、弁護士は被害者側の代理人として、加害者側と交渉をして、治療費、後遺障害・死亡による慰謝料・逸失利益等の損害賠償金の支払いに関する合意書を作成しています。
交渉による解決が困難な場合には、裁判所に損害賠償請求の訴えを起こしています。なお、民事裁判においても、被害者の精神的負担を軽減するため、遮へい措置(法廷における証人尋問時に被害者と加害者との間に衝立を設置するなど)の申出を行ったりしています。
裁判所の判決が出た後、加害者が判決で決まった賠償金の支払いをしない場合は、裁判所に強制執行の申立を行い、加害者の給与、預金等財産の差押えをしています。
殺人、傷害事件等における遺族又は重傷病・後遺障害を負った被害者に対する国の給付金支給制度として、犯罪被害給付制度があります。
また、被害による心身の不調に対する一助として、公費負担による臨床心理士等によるカウンセリング等があります。
これら犯罪被害給付制度、警察の被害者支援について、警察庁のウェブサイト「犯罪被害者等施策」に詳しい記載があります。
加害者が少年の事件における、被害者側代理人もお受けしています。
少年審判の開始決定のあった事件について、弁護士は家庭裁判所に被害者側の意見・心情、治療経過・症状、加害者側との交渉状況等を書面で伝えたりしています。この少年審判における被害者支援制度について、裁判所のウェブサイト「裁判所における犯罪被害者保護施策」に詳しい記載があります。
また、弁護士は被害者側の代理人として、少年の親権者との間で損害賠償等の交渉を行ったりしています。
暴行傷害を伴ういじめ等、学校関係の事件では、学校側に対しても事実調査、再発防止等を求めて交渉を行うことがあります。
子どもが性犯罪等の被害にあったときについて、後日の刑事裁判のため、親族、学校、弁護士等による子どもからの聞き取りは控え(子どもの記憶の汚染等防止)、速やかに警察に事件を伝えて、検察官・児童相談所職員による子どもからの適切な聞き取り・記録化(司法面接)が行われるようにしています。
これら犯罪被害者支援のご依頼に関する弁護士費用負担を軽減する制度として、殺人、傷害、監禁、強制わいせつ等一定の事件を対象に、日本弁護士連合会が犯罪被害者法律援助を設けています。また、上述の刑事裁判への被害者参加について国選弁護制度、民事関係の損害賠償請求について民事法律扶助があります。この犯罪被害者法律援助、被害者参加人のための国選弁護、民事法律扶助について、法テラスのウェブサイト「犯罪の被害にあわれた方へ」に詳しい記載があります。
ご加入の保険の弁護士費用特約が利用できる場合もありますので、ご加入の保険契約内容をご確認ください。
弁護士費用の詳細について、弁護士費用のページをご参照ください。
日弁連のウェブページ「弁護士費用とは」に「アンケート結果にもとづく 弁護士報酬の目安」が掲載されていますので、こちらもご参照ください。(https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid)
犯罪被害に遭うと、精神的負担(怒り、不安、不信、抑うつ等。長年慢性化することあり)、身体的負担(後遺症による生活上の困難等)、経済的負担(治療費負担、稼働困難による生活費不足等)を被ったりします。
特に、暗数化・潜在化しがちな被害(被害者が子ども、高齢者、障害者等。虐待・ネグレクト、学校事件、性犯罪等)に対する支援の必要性を感じています。
弁護士等他人に犯罪被害の相談をすることには躊躇を感じられるかもしれませんが、長期間経過すると、加害者の処罰を求める場合も、損害賠償等を求める場合も、証拠が散逸したり、時効の問題が生じます。
そこで、お一人で悩まず、まずはお早めにご相談ください。