◆遺産分割◆
亡くなられた方の遺産の分け方について、相続人間で話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所(家裁)に遺産分割調停の申し立てを行います。
調停では、月1回位の頻度で、家裁において調停委員を介して話し合いを行います。相続人全員が同席で話し合うのではなく、意見が一致している相続人ごとにグループ分けをして、各グループが調停室に交互に入室して、調停委員2名と30分位ずつ話をする方式が一般的です。
まず、遺産としてどのような資産(不動産、預貯金、株式、国債、美術品など様々)及び負債があるのか、各遺産の価値はいくらかを確認します。
そのうえで、これら資産をどのように分けるのかなどを話し合います。
その際、亡くなられた方から生前、ある相続人が経済的援助を受けていたなどの主張が、他の相続人からなされることがあります(特別受益)。
亡くなられた方の預貯金を生前、ある相続人が勝手に使っていたなどの主張が、他の相続人からなされることもあります(不当利得)。この不当利得については、遺産分割に先立って訴訟で解決しなければならなくなる場合があります。
亡くなられた方に生前、経済的援助をしてきたなどの主張が、ある相続人からなされることもあります(寄与分)。
調停で話し合いがまとまらない場合には、裁判官が審判により判断をします。
◆相続放棄◆
亡くなられた方と疎遠であった、遺産に多額の負債があるなどのため、相続人になりたくない場合は、相続放棄をすることができます。
相続放棄は、家庭裁判所(家裁)に相続放棄申述書を提出する必要があります。
この申立ての期限は、自分が相続人となったことを知った日から3ヶ月以内です。自分が相続人となったことを知った日は、亡くなられた方の死亡日とは限りません。例えば、両親が離婚して疎遠となっていた父親が死亡したことを死亡後相当期間経過してから知ったときは、その死亡を知った日となります。
また、3ヶ月経過後に遺産に予想外の多額の負債があることが分かった場合(多額の請求書が届いた場合など)でも、この負債を知ったときから3ヶ月以内に申立てをすれば家裁は相続放棄を受理する場合もあります。
◆相続事件の弁護士費用◆
詳細は、弁護士費用のページをご確認ください。同ページの内、相続事件の弁護士費用は「事件類型ごとの弁護士費用」の「(5) 遺産分割」「(6) 相続放棄」の項をご確認ください。その他の相続事件について、「(1) 民事事件全般」「(2) 示談交渉」をご確認ください。
日弁連のウェブページ「弁護士費用とは」に「アンケート結果にもとづく 弁護士報酬の目安」が掲載されていますので、こちらもご参照ください。(https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/cost/legal_aid)